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性表現規制の文化史を読んで

  • 杉山慧
  • 2019年1月19日
  • 読了時間: 2分

あなたは普段自分の倫理観や性の観念について、如何に形作られてきたのかに疑問を抱いたことがあるでしょうか。

白田秀彰著『性表現規制の文化史』という本は、キリスト教以前の古代ローマ時代から議論を始めて、如何にして現代日本の性表現に対する倫理観が形作られてきたかを辿った文化史です。

血縁関係により財産を相続していく上で、性的純潔を守ることが上流階級にとって重要であった。性表現に対する社会規範がここから始まっているのが特に面白かったです。

なぜなら、原著は読んでないのですが、トマ・ピケティ『21世紀の資本』では、経済格差を生む格差の根底は財産の相続であると結論づけたそうですが、上流階級の人々はピケティがこのように発表する前から何世紀にも渡ってそういった社会を宗教というコミュニティを使って作り上げてきたことが具体的に描写されていたからです。

日本が性表現を伴った祭事が明治以降取り締まれていき文化が表舞台から消えていったことなどが書かれていましたが、一つの文化的価値観が他の文化的価値観に合わせる形で無くなっていった今では明治以前の日本という地域にあった性に対する考え方などは分からなくなってしまったことは残念だなと思います。LGBTQなど江戸時代より以前の日本ではどういった価値観だったのでしょうか。過ぎてしまった今では、文化的コードが違うため想像しても理解できないのかなとか思ったり、でも移動と交流により作られてきた現代の文化もまた変化していくんだろうなと思ったりしました。


 
 
 

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