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「恋の歌、恋の物語ー日本古典を読む楽しみー」を読んで

  • 杉山慧
  • 2019年2月9日
  • 読了時間: 2分

岩波ジュニア新書 林望著「恋の歌、恋の物語ー日本古典を読む楽しみー」を読んだのでそれについての感想を書こうと思います。

この本は、恋をテーマに日本と現在呼ばれている地域に住んでいた人々が残した文学(『源氏物語』や『万葉集』『古今和歌集』)などを読み解くという内容です。

“恋”という言葉の語源が“乞う・請う”から発展したことや、魂という概念など面白い記述もありましたが、正直読んで、結構な衝撃がありました。

「荻上チキ セッション22」を聞いていると国会の音声がよく紹介されています。その中で国会議員が同性結婚を認めない理由に“日本的”なる謎の論理で、現状を肯定する理由付けにする発言がよく耳にします。その謎の論理がなぜこれまでまかり通ってきたのか少し読み解けたような気がしました。

この本は、古事記を日本の国産み神話として序章で用いています。これはある意味で、恋愛とは異性愛のことであるという考え方を作ってきたテキストとなっていたんだなという視点で神話を読み替えることができたんだなと読んでいて思いました。ここには、血統主義的な価値観や女性の貞操観念的なものも埋め込まれているなと思いました。

当時の貴族の常識が分からないですし、この文学は難しくベストセラー的な作品ではなかったと書かれていたので、貴族の一部の文学好きが読む本だったのでしょう。しかし例文として上げられていた『源氏物語』柏木の女三の宮に対する行いはレイプのようにしか読めなかったとこに驚きました。これを恋と解釈はできなかったのは、現代の視点だからでしょうか。


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