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シュールな牛ソングーSpencer Sutherland / SweaterとDoja Cat / Mooo!ー

  • 杉山慧
  • 2019年2月17日
  • 読了時間: 3分

オハイオ出身のシンガーソングライターSpencer Sutherlandの新曲「Sweater」をリリース。

別れた彼女への未練をコメディタッチに描いた楽曲。どうにか気を留めたいとの思いを「それ僕のセーターなんだよ」と空回り&ただのいちゃもんになってしまう不器用な男として描写。カラフルなポップ感溢れる楽曲も相まって、繊細と狂気を行ったり来たりするシュールなMVがいいですね。その中でも、一番気になるのが、楽曲のバックで流れている牛の鳴き声を思わせる「モー」というサウンド・エフェクトではないでしょうか。これを聴いた時、昨年瞬く間にバイラルヒットしたDoja Cat「Mooo!」を思い浮かべました。牛ソング繋がりということで、そちらも。

 嘉門達夫「鼻から牛乳」以来の衝撃が走った牛をトピックに用いた楽曲。我々の社会が牛を中心に回っているのではないかと思わされるほど、様々な社会問題のメタファーが入っているように感じる。男に中指を立てながら女性は男の道具ではないと言っているようにも聴こえるし、ファストフードを支えるステロイド剤の投与の問題、メタンガスによるオゾン層の破壊などの環境問題、牛肉としてのビーフとヒップホップにおける言い合いとしてのビーフをかけているようにも思う。彼女自身が牛になりきることで、牛や猫と言った女性の例えとして用いられるそういったステレオタイプ的な見方にF**Kと言っているようにも聴こえてくる。「I Don't Say Meow」と私は猫みたいに鳴かないというラインは、お前の所有物じゃねぇ~んだよと捉えることもできると思います。

他にCOWソングはどんなのがあるのかなと思って調べてみたら、COWBOY(カウボーイ)ソングがめっちゃありました。そらそうか!と。女性差別的な観点から見ると、ここには家父長制的社会の在り方や男尊女卑的な価値観もCOWというワードには含まれていたりするのかなとも思いました。アメリカが抱えてきた社会問題や歴史がCOWという一つのワードで繋がっており、さらには、アメリカと日本の関係から牛を見ると、戦後日本に入ってきた脱脂粉乳やグローバル企業としてのマクドナルド、さらには性的描写なども含め多くの影響を受けていると思うと、この曲の取り上げている裾野の広さに驚愕します。

でまた、Spencer Sutherland「Sweater」に話を戻します。MVのラストでそんなにセーターが欲しいならやるよとスペンサーの顔に脱ぎ捨てられるセーター。この背後にサウンドエフェクトとして使われている「モ~」という音を牛の鳴き声だと解釈すると、元カノから“私はお前の所有物じゃねえんだよ”とフラれる、ダメ男ソングに聴こえてきます。

Doja Cat「Mooo!」に対するアンサーソングというか、インスパイアされた楽曲なんじゃないかなと思いました。

いかがでしょうか。こじ付けにこじ付けを重ねただけのような気もしますが...


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